[Ubuntu 10.10] トラックポイントを利用する

2010/11/07PC::Linux/BSD

ThinkPad 600XにKubuntu 10.10(Maverick Meerkat)をインストールしたので、トラックポイントを利用できるようにした時のメモ。

環境

  • ThinkPad 600X (トラックポイントIII)
  • Kubuntu 10.10/i386
  • KDE3.5.12

解説

Ubuntu 10.04より、HALが廃止され9.04の頃のようにfdiでInputDeviceに対するルールを記述するのではなく、従来(8.04の頃)のようにxorgに対する設定ファイル経由で設定を読み込むようになったようです。
しかしながら、/etc/xorg.confはUbuntu 10.10には存在していません。/usr/share/X11/xorg.conf.d/以下に各デバイスに対する設定を記述することで読み込まれるようになったようです。

と、いうことで、また新しくトラックポイントの設定を記述しなければならなくなったわけです。

実装

調べてみたら、ちょうどいい具合に設定が公開されていました。

と、いうことで、上記サイトをベースにトラックポイントに関する設定を記述してみました。
上記サイトには記述されていない、各引数の説明も記述していますので、調整する場合に役立ててください。

/usr/share/X11/xorg.conf.d/20-trackpoint.conf

Section "InputClass"
        Identifier      "IBM TrackPoint"
        MatchProduct    "TrackPoint"
        MatchDevicePath "/dev/input/event*"
        Driver          "evdev"
        # ホイールエミュレートする
        Option          "EmulateWheel" "true"
        # ホイールエミュレートに使用するボタン番号
        Option          "EmulateWheelButton" "2"
        # 1ノッチに対応するカーソル移動量?
        Option          "EmulateIntrtia" "50"
        # ホイールエミュレートのタイムアウト時間(ms)
        Option          "EmulateWheelTimeout" "100"
        # 3ボタンエミュレートをしない
        # 3ボタンエミュレートは、従来の2ボタンマウスを同時押し(確か)することで
        # センターボタン押下をエミュレートする機能
        Option          "Emulate3Buttons" "false"
        # ホイールエミュレート中のX方向の移動に対する発生するイベント
        #(ボタン番号)を定義
        # 第2引数はそれぞれ、左(マイナス)方向、右(プラス)方向
        Option          "XAxisMapping" "6 7"
        # ホイールエミュレート中のY方向の移動に対する発生するイベント
        #(ボタン番号)を定義
        # 第2引数はそれぞれ、下(マイナス)方向、上(プラス)方向
        Option          "YAxisMapping" "4 5"
        
        # Option        "ZAxisMapping" "A B C D"
        # ZAxisMappingはホイールエミュレート中のそれぞれの移動に対して
        # 発生するイベント(ボタン番号)を定義
        # A: 垂直マイナス, B: 垂直プラス, C: 水平マイナス, D: 水平プラス
EndSection

上記を記述したら、再起動*1することで、トラックポイントによるスクロール機能が利用できるようになります。
また、以前はFirefox側にもチルトホイールによるスクロールを受け入れる設定が必要でしたが、Kubuntu 10.10で提供されるFirefox(3.6.12)では、デフォルトの設定にてスクロールが有効になっています。

*1 : Xサーバーの再起動でも構わないと思いますが、未検証です

Debianインストール時のパッケージ集に含まれるパッケージリストを表示する方法

2010/06/23PC::Linux/BSD

taskselでできるようです。情報を提供してくださった@henrichさん、ありがとうございました。

Kubuntu 9.04/amd64での実行例

タスクの一覧を表示する

$ tasksel --list-tasks
u desktop          Desktop environment
u web-server       Web server
u print-server     Print server
u dns-server       DNS server
i file-server      File server
i mail-server      Mail server
u database-server  SQL database
u laptop           Laptop
u manual           manual package selection

タスクで利用可能なパッケージの一覧を表示する

laptopタスクに含まれるパッケージリストを表示。

$ tasksel --task-packages laptop
acpi-support
hibernate
acpi
apmd
radeontool
anacron
wireless-tools
cpufrequtils
wpasupplicant
vbetool
pcmciautils
acpid
hotkey-setup
bluetooth
avahi-autoipd
uswsusp

IBM Lotus Symphony 3 Bata 2 on Windows XP x64

2010/04/24PC::Tips

IBM Lotus SymphonyというOpenOffice.orgとEclipseをベースにした、IBMにより無償で提供されるオフィスアプリケーションがあります。
OpenOffice.orgのファイルはもちろん開くことができ、かつMS Officeファイルの再現性がOpenOffice.orgよりも良い場合があるため、使ってみようとしましたが後述のエラーが発生するため正攻法ではWindows XP x64環境では利用することができません。
が、いろいろやってみた結果、XP x64環境でインストールすることができましたのでメモ代わりに残しておきます。

環境

  • Windows XP x64 Edition SP2
  • IBM Lotus Symphony 3 Bata 2

インストール方法

落としてきたLotus Symphonyのバイナリを叩くとインストーラーが起動しますが、次の画面が出て進むことができません。

symphony3-win64a.jpg

Lotus SymphonyのFAQではWindowsインストーラーがXP/Vista x64プラットフォームをサポートしていないことが原因のようです。

Windows installer does not support AMD64 CPU with XP/Vista 64 bit platforms installed

IBM Lotus Symphony - General FAQs

このインストーラーが走っている状況では、Tempディレクトリ以下にインストーラーの実体などのファイルが展開されています。

symphony3-win64b.jpg

ここで、C:\symphony3\のようなディレクトリを作成し*1、このフォルダに展開されているファイルすべてをコピーします。

コピーが完了すれば、"IBM Lotus Symphony.msi"を直接実行するとインストーラーが起動し、32bit版Windowsと同様にインストールを行うことが出来ます。

インストールが完了した後に動作させてみました。

スプラッシュ画面

symphony3-win64c.jpg

IBM Lotus Symphonyについての画面

symphony3-win64d.jpg

まだ使い込んでいませんが、動作させた範囲内では正常に動いているように見えます。

*1 : ここでコピー先フォルダ名にスペースが入っていると後述の方法によるインストールに失敗します。

[XP x64] Service Pack 適用時のアンインストール情報とアーカイブを削除する

2010/04/04PC::Tips

Windows XP x64 EditionにService Packを適用すると、32bit版XPとは異なり「窓の手」などのツールのアンインストール情報に載りません。クリーンインストール直後にService Packを適用する場合などは、アンインストール情報であったり、ロールバックのためのアーカイブファイルは必要ない場合がほとんどですので、これらを削除する方法について調べてみました。

環境

  • Windows XP x64 Edition
    • SP1 -> SP2 へアップデート

プログラムに追加と削除からエントリを削除する

レジストリエントリ「\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\Windows x64 Service Pack」以下のエントリを削除する

アーカイブファイルを削除する

Cドライブだけの構成であれば"C:\Windows\$NtServicePackUninstall$"、複数ドライブ環境でアーカイブファイルのフォルダを指定した場合は"<指定したフォルダのパス>\$NtServicePackUninstall$を削除する

NFSで利用するポートを固定する

2010/03/24PC::Linux/BSD

NFSサーバーのポートの固定をしたときのメモ。

環境

  • Debian GNU/Linux 4.0/i386
    • Kernel 2.6.18-6-686
    • nfs-kernel-server 1.1.0.10-6+etch.1

NFSが利用するポート

NFSが利用するポートは以下の通り。

  • portmapper: 111/tcp, 111/udp
  • nfs: 2049/tcp, 2049/udp
  • statd: 不定/tcp, 不定/udp
  • nlockmgr: 不定/tcp, 不定/udp
  • mountd: 不定/tcp, 不定/udp

上記のように、nlockmgr, statd, mountdが利用するポートは不定の為、iptablesでルールを記述することができません。ですので、iptablesを用いたセキュアな環境を構築するためにはこれらのポートを固定する必要があります。

NFSのポートを固定する

statdの固定

/etc/default/nfs-common

# If you do not set values for the NEED_ options, they will be attempted
# autodetected; this should be sufficient for most people. Valid alternatives
# for the NEED_ options are "yes" and "no".

# Options for rpc.statd.
#   Should rpc.statd listen on a specific port? This is especially useful
#   when you have a port-based firewall. To use a fixed port, set this
#   this variable to a statd argument like: "--port 4000 --outgoing-port 4001".
#   For more information, see rpc.statd(8) or http://wiki.debian.org/?SecuringNFS
STATDOPTS="--port 49152 --outgoing-port 49155"

# Some kernels need a separate lockd daemon; most don't. Set this if you
# want to force an explicit choice for some reason.
NEED_LOCKD=

# Do you want to start the idmapd daemon? It is only needed for NFSv4.
NEED_IDMAPD=

# Do you want to start the gssd daemon? It is required for Kerberos mounts.
NEED_GSSD=

STATDOPTSのパラメータ指定で入力側ポートと出力側ポートを指定します。
上記の例では入力に両方でプライベートポート*1である49152を、出力にも49155を指定しています。*2

nlockmgrの利用するポートの固定

/etc/modprobe.d/options.local
このファイルは用意されていないので、作成する必要があります。混乱を避けるためにあえて私は新規に作成していますが、modprobe.confに記述してもよいかと。

options lockd nlm_udpport=49153 nlm_tcpport=49153

新規に作成、もしくは既存のmodprobe.confに上記を記述します。上記の例ではnlockmgrの利用するポートを49153/tcp, 49153/udpを指定しています。

mountdの使用するポートの固定

/etc/init.d/nfs-kernel-server

  • 中略-
log_progress_msg "mountd" start-stop-daemon --start --oknodo --quiet --exec $PREFIX/sbin/rpc.mountd -- $RPCMOUNTDOPTS -p 49154 if [ $? != 0 ]; then
  • 後略-

nfs-kernel-serverの起動スクリプト中でポート番号の指定を書き加えます。
上記の例では49154番ポートを利用するように指定しています。

*1 : 49152~65535

*2 : 同じポートを指定すると正常に動作しない

確認する

設定が完了したら、nfs-kernel-serverの場合nlockmgrのポートの選定は起動時に行われるため、再起動が必要です*3。再起動後に、以下のコマンドでどのポートが利用されているかを確認することができます。

# rpcinfo -p
   program vers proto   port
    100000    2   tcp    111  portmapper
    100000    2   udp    111  portmapper
    100021    1   udp  49153  nlockmgr
    100021    3   udp  49153  nlockmgr
    100021    4   udp  49153  nlockmgr
    100021    1   tcp  49153  nlockmgr
    100021    3   tcp  49153  nlockmgr
    100021    4   tcp  49153  nlockmgr
    100024    1   udp  49152  status
    100024    1   tcp  49152  status
    100003    2   udp   2049  nfs
    100003    3   udp   2049  nfs
    100003    4   udp   2049  nfs
    100003    2   tcp   2049  nfs
    100003    3   tcp   2049  nfs
    100003    4   tcp   2049  nfs
    100005    1   udp  49154  mountd
    100005    1   tcp  49154  mountd
    100005    2   udp  49154  mountd
    100005    2   tcp  49154  mountd
    100005    3   udp  49154  mountd
    100005    3   tcp  49154  mountd

参考

*3 : nfs-user-serverではどうだかわかりません