ナルキッソス on 雪希VGA

2007/10/26W-ZERO3::ソフト

ナルキッソスとは、「ステージ☆なな」にて無償配布されているノベルゲームです。
内容に関してはこちらを参照して頂くとして、このナルキッソス1&2はNScripterで開発されています。NScripterで開発されているということはCE機でプレイ出来ると言うことです。

CE機のNScripterプレイヤーとしてはLII雪希があり、LIIはQVGA版のみだが幅広いソフトに対応している、雪希にはVGA版があるが、動作するソフトが少ないという特徴があります。QVGA機でプレイするなら何も考えずにLIIを用いればいいのですが、W-ZERO3をはじめとしたVGA CE機でプレイしようと考えた場合、やはりVGA画質でプレイしたいものです。

今回の試みはこのナルキッソス1&2を雪希VGAでプレイしようというもの。

今回の試みで用意した物

ナルキッソス2
変換対象のゲームですのでこれがないと話が進みません。2をインストールすれば1も入っていますので両方インストールする必要はありません。
Windows Mobile VGA端末
雪希のVGA版が動作するCEデバイスが対象です。この上でナルキッソスを動かすのですからこれがないとやはり話が進みません。今回はW-ZERO3[es]を用意しました。
雪希
今回の試みで使用したのは雪希 VGA Ver4.20, WM5.0版です。
GOGO.DLL
雪希のコンバータが必要とします。午後のこ~だをインストールすれば手に入ります。私はVer3.13を利用しました。
Windowsマシン
ナルキッソスのインストールや雪希へのコンバートに使います。ナルキッソス1&2及び雪希のコンバータが動作するものを用意しましょう。私はWin2kのマシンを用意しました。
Windows Mobileデバイス用外部メモリ
miniSDなりCFなり、動作対象のCEデバイスで利用可能な外部メモリを用意することをお勧めします。というか、大抵のデバイスは外部メモリがないと入りきらないでしょう。

ナルキッソスが雪希VGAで動作するまで

  1. ナルキッソス2をWindowsマシンにインストールします。
  2. 雪希に同梱されているコンバータconvNsr.exe, convSCRIPT2.exeを利用し、ナルキッソスを雪希形式に変換します。
    • convNsrの変換時に変換対象ソフトを選びますが、ナルキッソスはリストにありません*1
    • 私は「サナララ*2」で変換を行いました。
  3. 動画を再生する場合はさらにconvJMV3.exeを利用し、MPEGデータを変換します。
  4. 変換で作成されたファイルと「サナララ」のyuki.cfgを同じフォルダに入れ、雪希のプログラムなどと共にminiSDなどの外部メモリに転送します
  5. 後はゆっくり楽しみましょう

[album:w03/soft:nar1.jpg] [album:w03/soft:nar3.jpg] [album:w03/soft:nar2.jpg] [album:w03/soft:nar4.jpg]
右画像はW-ZERO3[es]上での実際の表示です。

*1 : このため、yuki.cfgなどを見ながら適合しそうなものをTry&Errorで見つける必要があります

*2 : 少なくとも要求解像度がSVGAである必要がありそうです。その中で何でサナララかはお察しください。

注意事項

雪希はナルキッソスに正式対応していませんし、ステージ☆なな様も当然のことながらこういった変換してプレイすると行った行為のサポートはしていません。あくまで独自調査によるものです。
この件に関し、くれぐれも開発元等に問い合わせることのないようにしてください。また、自己責任でお願いします。

既知の不具合 2007/10/29

「おまけ」モードが正しく動作しません。「前の画面に戻る」(だっけ?)以外を選択すると雪希が強制終了されます。

メモとか戯言とか

  • 当初はLIIで何とかVGA画質でプレイ可能となるようにいろいろやったのですが、結局LIIでは無理でした
  • ナルキッソス2には1と2両方入っていることを知らずに両方コンバートしてしまったのは内緒
  • パッチの存在を忘れていてコンバート後に再度コンバートするはめになったのはもっと内緒
  • ナルキッソス1のコンバート(BGM 128kbps/音声 32kbps/画質 90の設定)後の総ファイルサイズは57.26MB
  • ナルキッソス2のコンバート(同上)後の総ファイルサイズは約150MB
  • 動画を再生する場合は(15fps/MAX 4.5Mbps/MP3 128Kbps での変換設定で)さらに32MB程度必要です。
  • yuki.cfgの[MESSAGE CONFIG]セクションのFONT_SIZE_ADDの値を大きくすることでフォントサイズが大きくなるようです。
  • ナルキッソスの変換に要した時間は4~5時間でした*3。2、3時間で終わるゲームのためにそんな時間を費やすのであれば母艦でプレイしろというのは禁句です。
  • 2GBのminiSDを利用していますが、いまだに某ソフトが1GB以上占拠している為窮屈です。いいかげんなんとかしないと。

追記 2007/10/27

  • とりあえずナルキッソス1@ボイスあり*4をプレイしてみましたが、最後まで問題なくプレイ出来ました。
  • ヘッドホン環境でプレイする場合、音声データ変換設定を64Kbpsくらいにした方が幸せになれるかもしれません
  • FONT_SIZE_ADDの値はW-ZERO3[es]でプレイする場合は4くらいにしない*5と字が小さくて見づらいです

*3 : 変換のTry&Error含めて

*4 : ナルキッソス2に同梱されている方

*5 : 4を超えると今度は字がはみ出してしまいます

W-ZERO3による動画再生

2007/08/29W-ZERO3::Tips

・・・・・・この記事「 W-ZERO3による動画再生 」は書きかけだけど、でも勘違いしないでよねっ! べっ、別に、アナタに加筆して欲しいわけじゃ無いんだからねっ! まっ、まあ、アナタがどうしてもって言うのなら、ちょっとだけ書かせてあげてもいいけど・・・・・・

W-ZERO3[es]向けに動画なんかを作成しています。
比較的重めなリトバスのムービーをサンプルに色々試行錯誤しながらやっています。

使ったツールや方法などは徐々にまとめていきます。

W-ZERO3に適した動画形式の選択

TCPMPでは以下の動画形式に対応しています。

  • MPEG-4 (.mov, .mp4, .3gp)
  • H264 (.mp4)
  • Windows Media Video (.wmv)
  • ビデオファイル (.avi)
  • DivX圧縮ビデオファイル (.avi)
  • MPEG (.mpeg, .mpg)

このうち、ビデオファイルやMPEGデータはファイルサイズの観点からW-ZERO3での再生は困難と言えます。そうなると、MPEG-4系の圧縮動画形式が候補となりますが、このうちWMVに関しては元々が再生にパワーを要求する形式であるため、貧弱なW-ZERO3のCPUでは快適な再生は困難です。これまでの経験からDivX圧縮の動画はそれなりに快適に再生できることが分かっているため、今回はDivX及びH.264圧縮による動画を対象とします。

また、今回重点を置いているのは単に再生出来るという点ではなく、許容範囲の画質で出来る限り高い解像度での高フレームレート(30/24fps)の再生という点です。

中間報告

TCPMPベンチマークについて

一部を除いてTCPMP上で動画再生のベンチマークを行っています。TCPMPの動画再生ベンチマークでは、ドロップフレームなしで再生を行い、動画長/再生時間で結果を出力します。
TCPMPのベンチマークで100%となっていればコマ落ち無しで再生出来るように見えますが、実際には動きが多い部分には処理が重くなり、少ない部分は処理が軽くなります。ベンチマークの結果はあくまでも全体の平均ですので、実際の再生でコマ落ちが気にならない為にはだいたい110%以上のベンチマーク結果が必要となります。

H264 320x240 30fps (Video iPod向け設定) 384kbps

TCPMPベンチマーク: 66%
重すぎて使い物になりません。

DivX6.6.1 320x240 30fps 600kbps + MP3 128kbps

コマ落ち無しで再生出来ますがブロックノイズが目立つ…

DivX6.6.1 320x240 30fps 800kbps + MP3 128kbps

コマ落ち無しで再生出来ますが画質の荒さが目立つ…

DivX6.6.1 640x480 30fps 1150kbps + MP3 128kbps

TCPMPベンチマーク: 90%
一定間隔毎にコマ落ちが発生してしまう

DivX6.6.1 640x480 30fps 896kbps + MP3 128kbps

TCPMPベンチマーク: 110%
動きが激しい部分でコマ落ちが発生してしまう。520MHzにクロックアップでコマ落ちが許容範囲内になる。

DivX6.6.1 400x320 30fps 800kbps + MP3 128kbps

TCPMPベンチマーク: 110%
コマ落ち無しで再生可能だが画質の荒さが目立つ…

DivX6.6.1 640x480 24fps 800kbps + MP3 128kbps

TCPMPベンチマーク: 110%
コマ落ち無し、画質も許せる範囲。このあたりが限界か。

W-ZERO3

2007/08/29W-ZERO3

W-ZERO3関連の話題のうち役に立ちそうなコンテンツを扱います。
あまり役にたたなさそうなコンテンツは従来通りblog記事として扱います。

2007/02/10(土)W-ZERO3のアプリ

アプリケーションによってはW-ZERO3以外のプラットフォーム向けにビルドされた実行ファイルが含まれています。WindowsCEを扱ったことが無い人にはよくわからないと思われるのでまとめておきます。

プラットフォーム

  • HPC2.0
  • HPC Pro
  • HPC 2000
  • PsPC
  • PPC(PPC2000)
  • PPC2002
  • WM2003(WM2003SE)
  • WM5.0

W-ZERO3はWindows Mobile5.0プラットフォームですので、用意すればこれを利用するのが一番です。が、Windows Mobile 5.0プラットフォームは後方互換性をもっているのでWM2003(WM2003SE), PPC2002, PPC(PPC2000), HPC2000, HPC Pro向けにビルドされたものも(画面配置やなどの問題はありますが)大部分は動作させることが可能です。
基本的に、WM5.0>WM2003(SE)>PPC2002>PPC>HPC2000>HPC Proの順に選択すればいいでしょう。ただし、WM5.0以外のプラットフォームをターゲットとして開発されたアプリの実行にはMFCCExxx.dllが必要になる場合があります。

ターゲットCPU

上記のプラットフォームによる分類の他に、ビルドのターゲットとなるCPUのタイプが別れています。
WinCE向けのターゲットCPUタイプには以下のようなものがあります。

  • MIPS
  • SH-3/SH-4
  • ARM
    • ARMV4I
    • ARMV4T

W-ZERO3にはIntel XScale PXA270が採用されており、CPUのアーキテクチャ的にはARM系に属します。ARM系にはさらに、ARMV4IとARMV4Tに別れている場合があり、ARMV4Iは実行速度は速くなるがファイルサイズが大きくなる、ARMV4Tはファイルサイズは小さいが実行速度は遅くなるという特徴があります。

W-ZERO3の運用ポリシーにもよりますが、ARMV4Iを導入した方が幸せになれると思います。